【第二種電気工事士】電気設備の技術基準|絶縁抵抗・接地抵抗・電線太さの暗記数値

はじめに

「電技(電気設備に関する技術基準を定める省令)」は条文の数が多く、全部を読もうとすると学科対策には非効率です。試験で問われるのは特定の数値と概念に集中しています。この記事では頻出の数値と、公式情報の探し方を整理します。

技術基準とは何か

電気設備の技術基準(電技)は、電気設備が安全であるための最低限の基準を定めた省令です。具体的な工事方法の詳細は「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」に委ねられており、試験ではこの2つがセットで参照されます。

最新の内容は経済産業省(電技省令・電技解釈)で公表されています。なお内線規程(JEAC 8001)は民間自主規格であり、法令ではありません。数値は改定されることがあるため、受験前に公式で確認してください。

絶縁抵抗値(頻出)

低圧電路の絶縁抵抗値は試験で繰り返し出題されます。回路の使用電圧によって基準値が異なります。

使用電圧の区分 対地電圧の条件 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧150V以下 0.1MΩ以上
300V以下 その他(対地電圧150V超) 0.2MΩ以上
300V超(低圧) — 0.4MΩ以上

単位はMΩ(メガオーム)です。試験では「何MΩ以上か」を選ぶ問題が出ます。電圧が高い回路ほど基準が厳しくなる(値が大きくなる)方向で覚えると整理しやすいです。

電技省令・電技解釈の頻出数値まとめ:低圧の電圧区分(交流600V以下・直流750V以下)、絶縁抵抗(使用電圧と対地電圧の2軸で0.1/0.2/0.4MΩ)、A〜D種の接地抵抗と0.5秒緩和、分岐回路の電線最小太さ
試験に出る技術基準の重要数値一覧

接地抵抗値との組み合わせ

接地の種別ごとの接地抵抗値は別記事でまとめています。絶縁抵抗と接地抵抗は試験でセットで問われることもあるので合わせて確認してください。

→ 接地の種別と目的:A種・B種・C種・D種の違い

接地の種別と接地抵抗値(早見表)

接地種別 適用 接地抵抗値
A種 高圧用機器の鉄台等 10Ω以下
B種 変圧器の低圧側中性点 計算値(変動)
C種 300V超低圧用機器 10Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内動作で500Ω以下も可)
D種 300V以下低圧用機器 100Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内動作で500Ω以下も可)

学科では特にC種10Ω・D種100Ωの数値、そして0.5秒以内に動作する漏電遮断器設置時の500Ω緩和規定が頻出です。B種は高圧側電路の1線地絡電流 Ig から算出するもので、数値は固定ではない点に注意してください。詳細は別記事の接地種別記事を参照してください。

その他の頻出事項

絶縁抵抗以外で学科に出やすい技術基準の項目です。

  • 電線の接続:電線の接続部の電気抵抗を増加させてはならない、引張強さを20%以上減少させてはならない
  • 電路の対地電圧:住宅の屋内電路の対地電圧は150V以下が原則
  • 過電流遮断器の施設:幹線・分岐回路の過電流保護の考え方

これらは数値を丸暗記するより、過去問で「どういう問われ方をするか」を確認してから覚える方が効率的です。

電線の最小太さ・支持間隔の暗記数値表

項目 数値 補足
屋内配線の最小太さ 1.6mm(または2.0mm²)以上 一般的な分岐回路
引込口装置までの引込線の最小太さ 2.0mm以上 安全のため太め
弱電流電線との離隔距離(メタルラス等) 150mm以上 弱電ケーブルとの混触防止
金属管の支持点間距離 2m以下 配管の振れ防止
合成樹脂管(PF・CD)の支持点間距離 1.5m以下 樹脂はたわむため短く
露出配線の支持点間距離 2m以下 接続箇所では0.15m以下

数値の暗記は「最小太さ1.6mm、離隔150mm、支持2m or 1.5m」を軸に整理すると覚えやすいです。金属管は丈夫なので2m、樹脂管はたわむので1.5m、と材質の感覚で結びつけると忘れにくくなります。

学科試験の代表例題(過去問形式)

技術基準で頻出のパターンを3問にまとめました。数値を覚えたら、必ず「問題形式で答えられるか」を確認しておきましょう。

例題1(絶縁抵抗値)

問題:対地電圧150V以下の低圧電路の絶縁抵抗値の最小値は次のうちどれか。

  1. 0.05MΩ
  2. 0.1MΩ
  3. 0.2MΩ
  4. 0.4MΩ

解答:2(0.1MΩ)

解説:絶縁抵抗の基準値は3段階。使用電圧300V以下のうち対地電圧150V以下は0.1MΩ、同じく300V以下でも対地電圧150V超は0.2MΩ、使用電圧300V超は0.4MΩ。電圧が高くなるほど基準が厳しくなる(値が大きくなる)方向で覚えると間違えにくいです。

例題2(電線の接続)

問題:電線の接続に関する記述として誤っているものは次のうちどれか。

  1. 接続部の電気抵抗を増加させない
  2. 電線の引張強さを20%以上減少させない
  3. 接続部分の絶縁効力を保つ
  4. 接続部の電線サイズを細くしてもよい

解答:4

解説:電線の接続部では「抵抗を増加させない」「引張強さを20%以上減少させない」「絶縁効力を保つ」が三大原則。接続部の電線サイズを細くするのは禁止です。現場でも、接続箇所が細い電線になっていれば発熱・断線の原因になります。

例題3(対地電圧)

問題:一般住宅の屋内電路の対地電圧の上限は、原則として何V以下か。

  1. 100V
  2. 150V
  3. 200V
  4. 300V

解答:2(150V)

解説:住宅の屋内電路は原則対地電圧150V以下。一定条件下で200V回路(エアコン・IH等)が認められる例外規定もありますが、原則の数値として「150V」を覚えておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 電気設備の技術基準(電技)と「電技解釈」は何が違うのですか?
A. 電技(電気設備に関する技術基準を定める省令)は、電気設備が安全であるための最低限の基準を定めた省令です。これに対して具体的な工事方法の詳細は「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」に委ねられており、試験ではこの2つがセットで参照されます。最新の内容は経済産業省(電技省令・電技解釈)で公表されています。なお内線規程(JEAC 8001)は民間自主規格であり、法令ではありません。数値は改定されることがあるため、受験前に公式で確認してください。

Q2. 絶縁抵抗の基準値は電圧の区分でどう変わりますか?
A. 低圧電路の絶縁抵抗値は、回路の使用電圧によって3段階に分かれます。使用電圧300V以下のうち対地電圧150V以下は0.1MΩ以上、同じく300V以下でも対地電圧150V超は0.2MΩ以上、使用電圧300V超(低圧)は0.4MΩ以上です。単位はMΩ(メガオーム)で、試験では「何MΩ以上か」を選ぶ形で問われます。電圧が高い回路ほど基準が厳しくなる(値が大きくなる)方向で覚えると整理しやすいです。

Q3. 絶縁抵抗と接地抵抗はどう組み合わせて覚えればいいですか?
A. 絶縁抵抗は「電圧区分ごとに0.1・0.2・0.4MΩ以上」、接地抵抗は「種別ごとに何Ω以下」というように、基準値の向きが逆なので、そこを先に押さえます。接地側で学科に特に頻出なのはC種10Ω・D種100Ωと、0.5秒以内に動作する漏電遮断器を設置する場合の500Ω以下への緩和規定です。A種・B種を含む4種類の使い分けと施工箇所は、接地工事の種類の記事でまとめています。絶縁抵抗と接地抵抗は試験でセットで問われることもあるので、合わせて確認してください。

Q4. 技術基準は学科試験でどんな形で出題されますか?
A. 数値をそのまま4択で選ばせる形が中心です。代表的なのは、対地電圧150V以下の低圧電路の絶縁抵抗値の最小値を選ぶ問題(解答は0.1MΩ)、電線の接続に関する記述から誤っているものを選ぶ問題(接続部の電線サイズを細くするのは禁止)、一般住宅の屋内電路の対地電圧の上限を選ぶ問題(原則として150V以下)の3つです。数値を覚えたら、問題形式で答えられるかどうかまで確認しておきましょう。

まとめ

  • 技術基準の数値は過去問ベースで頻出のものを押さえる
  • 絶縁抵抗は電圧が高いほど基準値が大きい(0.1・0.2・0.4MΩ)
  • 最新の数値は公式で確認(改定の可能性あり)

→ 電気事業法・電気工事士法:学科の地図

→ 第二種電気工事士の学科試験とは?出題分野・合格の目安・試験時間を整理

→ 電線・ケーブルの種類と記号:学科で出るVVF・IV・EM-EEFまで

絶縁抵抗の合否判定は絶縁抵抗判定ツールで即時確認できます。接地線サイズの選定は接地線サイズ選定ツールもあわせて活用してください。