制御用トランスの選び方と容量一覧|複巻・単巻・シールドの違いと主要メーカーの型式(50VA〜10kVA)

制御用トランスは、動力の電圧から制御回路用の電源をつくるための変圧器です。型式は「一次→二次の電圧」「容量(VA)」「複巻か単巻か・シールドの有無」が決まれば絞り込めます。このページでは、手元の機器マスタに登録されている8社・28シリーズ・287型式を、容量から型式を引ける表にまとめました。

「200V→100Vで500VAならどの型式か」を確かめたいだけなら、用途別の容量→型式一覧まで飛んでください。

選び方は3ステップ

(1) 一次電圧→二次電圧を決める

一次側は受電電圧に合わせます。ここを間違えると他がすべて合っていても使えません。手元のマスタに入っている組み合わせは次のとおりです。

  • 200V→100V:制御回路用の標準的な組み合わせ。シリーズ数も容量の幅もここが最も広い
  • 400V→100V / 400V→200V:受電が400V系の設備向け
  • 200V→24V / 100V→24V:二次側を24Vで取りたいとき
  • 100V→200V:昇圧(100Vしか来ていない場所で200Vの機器を動かすとき)
  • 三相200V→指定:三相入力の制御用トランス。二次電圧は受注時指定
  • 三相200/400V→200V系:三相動力変圧器

(2) 容量(VA)を決める

二次側につながる機器のVAを合計し、その合計を下回らない容量の型式を選びます。合計を出すところは 変圧器容量選定ツール【負荷合計からkVAを計算】|需要率・力率を考慮 で計算できます。容量を決めたあとに一次・二次の電流を確かめたいときは 変圧器の定格電流計算ツール【kVA→一次・二次電流】|単相・三相対応 を使ってください。

マスタに入っている容量のきざみは、小容量側が 50 / 75 / 100 / 150 / 200 / 300 / 500 / 750VA、そこから上が 1 / 1.5 / 2 / 3 / 5 / 7.5 / 10kVA です。シリーズによって上限と下限、途中の抜けが違うので、下の表で「その容量の型式があるか」を見るのが早いです。

(3) 複巻か単巻か・シールドの要否を決める

電圧と容量が同じでも、巻線の方式とシールドの有無で型式が分かれます。ここが選定の最後の分岐です。次の2つの見出しで整理します。

複巻と単巻の違い

複巻は、一次側と二次側が別々の巻線になっているトランスです。一次と二次が電気的に絶縁されているのが特徴で、制御回路の電源をつくる用途ではこちらが一般的です。マスタに登録されている制御用トランスも複巻が中心です。

単巻は、1つの巻線の一部を一次と二次で共用する方式です。一次側と二次側が巻線でつながっているため絶縁されませんが、そのぶん小型にできます。マスタに入っている単巻は2シリーズで、トヨズミ AS が「0端子共用」、相原電機 AT が「小型」と記載されています。

単巻は品名も「制御用トランス」ではなく「トランス」で登録されています。手元のマスタの種別別の内訳は、制御用トランス190・トランス24・昇圧トランス33・ノイズカットトランス18・三相動力変圧器12・トロイダルトランス10の計287型式です。

静電シールドとノイズカットトランス

静電シールドは、一次側と二次側の巻線のあいだに入れる導体です。一次・二次間の静電結合によってノイズが伝わるのを減らす目的のもので、マスタでは次のシリーズが特徴欄にシールドを挙げています。

  • 豊澄電源機器 SD21 … シールド付
  • スワロー電機 SC21-E … シールド
  • 今井電機 NBS … 静電シールド
  • 相原電機 AHK … 静電シールド

ノイズカットトランスは、ノイズ対策を目的に作られたトランスで、マスタには豊澄電源機器 NCT と電研精機研究所 NCT-I が入っています。どの程度まで必要かは盤内のノイズ源と守りたい機器の事情で変わるため、効果の程度はメーカーのカタログで確認してください。トランス以外の手段をあわせて考えるときは 制御盤のノイズフィルタ:インバータ・サーボ周りで誤動作を防ぐ取り付け方 も参考になります。

シリーズ一覧(8社・28シリーズ)

手元の機器マスタに登録されている制御用トランス系のシリーズを、種別・メーカー・電圧・容量の範囲で並べたものです。「—」はマスタに記載がないことを示します。「指定」は二次電圧が受注時指定であることを示します。

種別相・巻線メーカーシリーズ 一次→二次特徴型式数容量の範囲
制御用トランス単相複巻豊澄電源機器SD21200V→100Vシールド付1550VA〜10kVA
制御用トランス単相複巻豊澄電源機器HB200V→100V小型1250VA〜3kVA
制御用トランス単相複巻スワロー電機SC21-E200V→100Vシールド1550VA〜10kVA
制御用トランス単相複巻スワロー電機M21-EL—マルチタップ・LED通電表示9200VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻東洋技研TR200V→100V—1550VA〜10kVA
制御用トランス単相複巻今井電機NBS200V→100V静電シールド1350VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻今井電機NBS-SL(スプリングロック式)—差込端子950VA〜1kVA
トランス単相単巻トヨズミAS200V→100V0端子共用1250VA〜3kVA
制御用トランス三相複巻スワロー電機3ST三相200V→指定—9300VA〜7.5kVA
制御用トランス単相複巻相原電機AHK200V→100V静電シールド1550VA〜10kVA
制御用トランス単相複巻相原電機AD200V→100V標準1350VA〜5kVA
トランス単相単巻相原電機AT200V→100V小型1250VA〜3kVA
制御用トランス三相複巻相原電機AHT3三相200V→指定—9300VA〜7.5kVA
昇圧トランス単相複巻スワロー電機M12100V→200V—1150VA〜5kVA
昇圧トランス単相複巻豊澄電源機器SB12100V→200V—1150VA〜5kVA
昇圧トランス単相複巻相原電機AHU100V→200V—1150VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻スワロー電機M41400V→100V—1150VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻スワロー電機M42400V→200V—1150VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻豊澄電源機器SD41400V→100V—1150VA〜5kVA
制御用トランス単相複巻相原電機AHK4400V→100V—1150VA〜5kVA
ノイズカットトランス単相複巻豊澄電源機器NCT200V→100V—950VA〜2kVA
ノイズカットトランス単相複巻電研精機研究所NCT-I200V→100V—950VA〜2kVA
三相動力変圧器三相複巻相原電機AHT3D三相200/400V→200V系—75kVA〜50kVA
三相動力変圧器三相複巻スワロー電機3ST(10kVA以上)三相200/400V→200V系—510kVA〜50kVA
制御用トランス単相複巻豊澄電源機器SD21-□-24200V→24V—650VA〜1kVA
制御用トランス単相複巻相原電機AHK-□-24100V→24V—650VA〜1kVA
トロイダルトランス単相フェニックス・コンタクトTT—低姿勢550VA〜500VA
トロイダルトランス単相スワロー電機HT—低姿勢550VA〜500VA

※掲載は手元の機器マスタに登録されている範囲です。外形寸法・質量・発熱・価格は記載していません。端子の形状や取り付け方は型式ごとにメーカーのカタログで確認してください。

用途別 容量→型式の一覧

ここからは容量を行、シリーズを列にした表です。「—」はその容量の型式がマスタに無いことを示します。

200V→100V 単相複巻(7シリーズ)

制御回路用でまず当たるのがこの表です。容量の行を横に見て、シールドの要否・メーカーの指定・在庫で列を選びます。

容量 豊澄 SD21
(シールド付)
豊澄 HB
(小型)
スワロー SC21-E
(シールド)
東洋技研 TR 今井 NBS
(静電シールド)
相原 AHK
(静電シールド)
相原 AD
(標準)
50VASD21-50AHB-50SC21-E-50TR-50NBS-50AHK-50AD-50
75VASD21-75AHB-75SC21-E-75TR-75NBS-75AHK-75AD-75
100VASD21-100AHB-100SC21-E-100TR-100NBS-100AHK-100AD-100
150VASD21-150AHB-150SC21-E-150TR-150NBS-150AHK-150AD-150
200VASD21-200AHB-200SC21-E-200TR-200NBS-200AHK-200AD-200
300VASD21-300AHB-300SC21-E-300TR-300NBS-300AHK-300AD-300
500VASD21-500AHB-500SC21-E-500TR-500NBS-500AHK-500AD-500
750VASD21-750AHB-750SC21-E-750TR-750NBS-750AHK-750AD-750
1kVASD21-1kAHB-1kSC21-E-1kTR-1kNBS-1kAHK-1kAD-1k
1.5kVASD21-1_5kAHB-1_5kSC21-E-1_5kTR-1_5kNBS-1_5kAHK-1_5kAD-1_5k
2kVASD21-2kAHB-2kSC21-E-2kTR-2kNBS-2kAHK-2kAD-2k
3kVASD21-3kAHB-3kSC21-E-3kTR-3kNBS-3kAHK-3kAD-3k
5kVASD21-5kA—SC21-E-5kTR-5kNBS-5kAHK-5kAD-5k
7.5kVASD21-7_5kA—SC21-E-7_5kTR-7_5k—AHK-7_5k—
10kVASD21-10kA—SC21-E-10kTR-10k—AHK-10k—

200V→100V 単相単巻(2シリーズ)

一次と二次が絶縁されない方式です。小型にできる代わりに用途が限られるので、制御回路の電源にあてる前に上の「複巻と単巻の違い」を確認してください。

容量トヨズミ AS
(0端子共用)
相原 AT
(小型)
50VAAS-50AT-50
75VAAS-75AT-75
100VAAS-100AT-100
150VAAS-150AT-150
200VAAS-200AT-200
300VAAS-300AT-300
500VAAS-500AT-500
750VAAS-750AT-750
1kVAAS-1kAT-1k
1.5kVAAS-1_5kAT-1_5k
2kVAAS-2kAT-2k
3kVAAS-3kAT-3k

400V系(4シリーズ)

受電が400V系の設備向けです。75VAと150VAが無く、上限は5kVAまでという点が200V→100V系との違いです。二次200Vが要るときはスワロー M42を選びます。

容量 スワロー M41
400V→100V
豊澄 SD41
400V→100V
相原 AHK4
400V→100V
スワロー M42
400V→200V
50VAM41-50ESD41-50AHK4-50M42-50E
100VAM41-100ESD41-100AHK4-100M42-100E
200VAM41-200ESD41-200AHK4-200M42-200E
300VAM41-300ESD41-300AHK4-300M42-300E
500VAM41-500ESD41-500AHK4-500M42-500E
750VAM41-750ESD41-750AHK4-750M42-750E
1kVAM41-1kESD41-1kAHK4-1kM42-1kE
1.5kVAM41-1_5kESD41-1_5kAHK4-1_5kM42-1_5kE
2kVAM41-2kESD41-2kAHK4-2kM42-2kE
3kVAM41-3kESD41-3kAHK4-3kM42-3kE
5kVAM41-5kESD41-5kAHK4-5kM42-5kE

昇圧 100V→200V(3シリーズ)

100Vしか来ていない場所で200Vの機器を使うときの昇圧トランスです。容量のきざみは400V系と同じで、75VAと150VAはありません。

容量スワロー M12豊澄 SB12相原 AHU
50VAM12-50ESB12-50AHU-50
100VAM12-100ESB12-100AHU-100
200VAM12-200ESB12-200AHU-200
300VAM12-300ESB12-300AHU-300
500VAM12-500ESB12-500AHU-500
750VAM12-750ESB12-750AHU-750
1kVAM12-1kESB12-1kAHU-1k
1.5kVAM12-1_5kESB12-1_5kAHU-1_5k
2kVAM12-2kESB12-2kAHU-2k
3kVAM12-3kESB12-3kAHU-3k
5kVAM12-5kESB12-5kAHU-5k

二次24V(2シリーズ)

二次側を24Vで取るタイプです。一次電圧がシリーズによって違う点に注意してください。豊澄 SD21系は一次200V、相原 AHK系は一次100Vです。容量は50VA〜1kVAで、きざみも粗くなります。

容量豊澄 SD21系
200V→24V
相原 AHK系
100V→24V
50VASD21-50-24AHK-50-24
100VASD21-100-24AHK-100-24
200VASD21-200-24AHK-200-24
300VASD21-300-24AHK-300-24
500VASD21-500-24AHK-500-24
1kVASD21-1k-24AHK-1k-24

DC24Vを作るのが目的なら、トランスではなくパワーサプライ(スイッチング電源)を使うのが制御盤では一般的です。そちらの考え方は パワーサプライとは?仕組みと選び方|突入電流・出力保持時間の読み方まで にまとめています。

三相入力の制御用トランス(2シリーズ)

二次電圧は「指定」、つまり受注時に指定する扱いです。型式だけでは二次電圧が決まらないので、発注時に二次電圧の指定が要ります。

容量スワロー 3ST
三相200V→指定
相原 AHT3
三相200V→指定
300VA3ST-300AHT3-300
500VA3ST-500AHT3-500
750VA3ST-750AHT3-750
1kVA3ST-1kAHT3-1k
1.5kVA3ST-1_5kAHT3-1_5k
2kVA3ST-2kAHT3-2k
3kVA3ST-3kAHT3-3k
5kVA3ST-5kAHT3-5k
7.5kVA3ST-7_5kAHT3-7_5k

三相動力変圧器(2シリーズ)

制御回路用ではなく動力側の変圧器です。一次は三相200/400V、二次は200V系で、容量は5kVA〜50kVAの帯です。

容量相原 AHT3Dスワロー 3ST
5kVAAHT3D-5k—
7.5kVAAHT3D-7_5k—
10kVAAHT3D-10k3ST-10k
15kVAAHT3D-15k3ST-15k
20kVAAHT3D-20k3ST-20k
30kVAAHT3D-30k3ST-30k
50kVAAHT3D-50k3ST-50k

ノイズカットトランス(2シリーズ)

一次200V・二次100Vで、容量は50VA〜2kVAです。上の帯が無いので、大きな負荷をまとめて通す使い方には向きません。

容量豊澄 NCT
200V→100V
電研精機 NCT-I
200V→100V
50VANCT-50NCT-I-50
100VANCT-100NCT-I-100
200VANCT-200NCT-I-200
300VANCT-300NCT-I-300
500VANCT-500NCT-I-500
750VANCT-750NCT-I-750
1kVANCT-1kNCT-I-1k
1.5kVANCT-1_5kNCT-I-1_5k
2kVANCT-2kNCT-I-2k

マルチタップ・差込端子・トロイダル

標準シリーズでは収まらない要求に応えるタイプです。マスタに登録されている容量と型式は次のとおりです。

容量 スワロー M21-EL
マルチタップ・LED通電表示
今井 NBS-SL
差込端子
Phoenix TT
トロイダル・低姿勢
スワロー HT
トロイダル・低姿勢
50VA—NBS-SL-50TT-50HT-50
75VA—NBS-SL-75——
100VA—NBS-SL-100TT-100HT-100
150VA—NBS-SL-150——
200VAM21-EL-200NBS-SL-200TT-200HT-200
300VAM21-EL-300NBS-SL-300TT-300HT-300
500VAM21-EL-500NBS-SL-500TT-500HT-500
750VAM21-EL-750NBS-SL-750——
1kVAM21-EL-1kNBS-SL-1k——
1.5kVAM21-EL-1_5k———
2kVAM21-EL-2k———
3kVAM21-EL-3k———
5kVAM21-EL-5k———

※この3タイプは手元のマスタに一次→二次電圧の記載がありません。電圧はメーカーのカタログで確認してください。

型式の読み方

型式はおおむね「シリーズ名+容量」の並びです。上の表に載っている型式から読み取れるのは次の範囲です。

  • SD21-500A … SD21シリーズの500VA。末尾のAは 200V→100V 版の表記です(二次24V版は SD21-500-24 のようにAが付きません)
  • SD21-1_5kA … 「1_5k」が1.5kVA。kは1000VAの区切りで、小数点がアンダースコアに置き換わっています
  • SD21-7_5kA … 同じ読み方で7.5kVA
  • M41-50E … M41は400V→100V、同じ並びのM42は400V→200V。末尾の50Eが50VA
  • SD21-500-24 … 末尾の「-24」が二次24Vを示します。容量500VAは真ん中の数字です
  • NBS-SL-500 … NBSシリーズのスプリングロック式(差込端子)の500VA
  • NCT-I-500 … ノイズカットトランスの500VA。「-I」でシリーズが分かれます

つまり、容量は型式の中の数字で読み、kが付いていればkVA、アンダースコアは小数点と覚えておけば、表を引かなくても型式から容量が分かります。ただし NBS-SL-500 や NCT-I-500 のようにハイフンが2つある型式は、数字の部分だけを見ます。

一方で、SC21-E や M12-500E の「E」のように、手元のマスタに定義が書かれていない記号もあります。これらの意味はここでは断定しません。メーカーごとの命名規則は公式のカタログで確認してください。

選ぶときに外しやすいところ

一次電圧を受電電圧と合わせる

最初に確認するのはここです。400V受電の設備に200V系のトランスを手配してしまう、二次24Vのシリーズで一次電圧が200Vと100Vに分かれているのを見落とす、といった取り違えが起こりやすいところです。上の一覧表で、選んだシリーズの「一次→二次」の列を見てから型式を確定してください。

容量は二次側の合計VAで選ぶ

二次側につながる機器のVAを足した合計が基準になります。合計の計算は 変圧器容量選定ツール【負荷合計からkVAを計算】|需要率・力率を考慮 で出せます。シリーズによって上限が違うので、合計が大きいときは「その容量の型式があるシリーズ」から先に絞るほうが早いです。

二次電流が知りたいときは別で出す

容量(VA・kVA)と電流(A)は別の量です。二次側の電線や機器を考えるときに必要なのは電流なので、変圧器の定格電流計算ツール【kVA→一次・二次電流】|単相・三相対応 で一次・二次の電流を出してください。降圧トランスでは二次側の電流のほうが大きくなります。

突入電流のある負荷は容量に余裕を見る

電磁接触器や電磁弁のコイルのように、投入の瞬間だけ大きな電流が流れる負荷が二次側にある場合、定常時のVAを足した合計ちょうどで選ぶと投入時に電圧が落ちることがあります。余裕を見ておく判断が入るところで、どれだけ見るかはメーカーの選定資料で確認してください。

発熱は盤内の熱設計に入れる

トランスは通電中に発熱する部品です。盤内の温度上昇を考えるときは発熱源として数に入れ、周囲に発熱部品を密集させない配置にします。発熱量は型式ごとの値になるので、メーカーのカタログで確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 制御用トランスは複巻と単巻のどちらを選びますか?
A. 複巻は一次側と二次側が別の巻線になっていて、両者が電気的に絶縁されています。単巻は巻線の一部を一次と二次で共用するため一次側と二次側がつながっており、絶縁されません。そのぶん小型にできるのが単巻の利点で、手元のマスタでも単巻の2シリーズは「0端子共用」(トヨズミ AS)・「小型」(相原電機 AT)と記載されています。制御回路の電源をつくる用途では複巻を使うのが一般的で、マスタに登録されている制御用トランスも複巻が中心です。

Q2. シールド付きの制御用トランスはどんなときに選びますか?
A. 静電シールドは一次側と二次側の巻線のあいだに入れる導体で、一次・二次間の静電結合によってノイズが伝わるのを減らす目的のものです。手元のマスタでは豊澄電源機器 SD21(シールド付)・スワロー電機 SC21-E(シールド)・今井電機 NBS(静電シールド)・相原電機 AHK(静電シールド)がシールドを特徴として挙げています。ノイズ対策を目的に作られたトランスがノイズカットトランス(NCT・NCT-I)です。どこまで必要かは盤内のノイズ源と対象機器の事情で変わるので、効果の程度はメーカーのカタログで確認してください。

Q3. 200V→100Vと400V→100Vの制御用トランスは何が違いますか?
A. 変わるのは一次側に入れる電圧だけで、二次側に100Vをつくるという役目は同じです。受電が400V系の設備では200V系のトランスをそのまま付けられないため、一次400Vのシリーズ(スワロー電機 M41、豊澄電源機器 SD41、相原電機 AHK4)を選びます。一次400V・二次200Vが要るときはスワロー電機 M42があります。手元のマスタでは400V系の容量の幅は50VA〜5kVAで、200V→100V系より上が狭くなっています。

Q4. 制御用トランスの容量(VA)はどう決めますか?
A. 二次側につながる機器のVAを合計し、その合計を下回らない容量の型式を選びます。合計を出すところは変圧器容量選定ツール【負荷合計からkVAを計算】で計算できます。容量が決まったら同じ容量の行を横に見て、シールドの要否や端子の形でシリーズを決める流れです。電磁接触器のコイルのように投入時だけ大きな電流が流れる負荷が入るときは、合計値ぴったりではなく余裕を見ておきます。どれだけ見るかはメーカーの選定資料で確認してください。

まとめ

制御用トランスの型式は「一次→二次の電圧」「容量(VA)」「複巻か単巻か・シールドの有無」の3つで決まります。200V→100Vの標準的な組み合わせなら7シリーズが横並びになるので、容量の行を引いてから列を選ぶのが早い道順です。400V受電・24V二次・昇圧・三相は電圧の列が変わるだけで、読み方は同じです。容量そのものを決めるところだけは負荷側の計算が入るので、ツールと併せて使ってください。型式を引きたくなったら、このページに戻ってきてください。